戦後間もなくから今日まで街の皆さんに愛されてきた銭湯「浜湯」が、２０２１年６月３０日（水）をもって閉店しました。

浜湯は、一宮市の中に残っている数少ない銭湯でした。

浜湯の店主さんによると、一宮市内に以前は約７０軒くらいあった銭湯が、今では浜湯を入れて５軒となってしまったそうです。

その大きな原因は、建物機器の老朽化によるもの。修理する人がいなくなってしまい、その仕事を継ぐ人もいない為、どの銭湯も存続が困難になってしまいました。

では、どうしてスーパー銭湯などのチェーン店は続けていけるの？という疑問がわいてくると思います。

お話を伺っていく中で、公衆浴場である銭湯は、スーパー銭湯の機器とは違い、全部の機器を総入れ替えする必要があり、昔ながらの修理方法でないと対応ができないということがわかりました。

それでも街の皆さんにとっては憩いの場であり、必要な存在だった浜湯。

更に店主さんに「スーパー銭湯のような仕組みにならないか」聞いてみたところ、大きな資金も必要となり、困難とのことでした。

私が伺った閉店の日には、今まで浜湯のことが大好きだったお客さんが代わる代わる足を運び、最後の日を惜しんでおられた姿がとても印象に残っています。

この見慣れた風景が、いつかとても懐かしいものとなっていくのでしょう。

下駄箱もこんなに味があって、まだ現役で使えます。

壁には桜まつりの鯉のぼりの写真や、マツコ・デラックスさんのサインも。

※桜まつりの鯉のぼりの写真は、店主さんが、鯉のぼりをかかげられていた宮崎さんと小学校からの同級生のため、毎年新しいものになっていたそうです。

※マツコさんのサインは、マツコさんのマネージャーさんが浜湯近くの一宮出身のため、持ってきてもらえたそうです。

コロナ禍になってからは、スーパー銭湯の営業も困難となる一方で、浜湯には、銭湯を必要とする銭湯のない地域（岩倉や小牧、犬山、稲沢）の方からの問い合わせが多かったお話も伺いました。

最後に浜湯からのお知らせで、入浴券は「杉戸浴場様」、「はなぞの湯様」にてご利用可能とのことです。

浜湯は、戦後間もなく他の方が開業し、営業されていたそうなのですが、平成２年より今の店主さんに引き継がれ、今日までご夫婦お二人で続けられてきました。

一宮市の銭湯の歴史がまたひとつ、幕を閉じることとなります。

今まで本当にお疲れさまでした。ここに「浜湯」があったことを忘れません。

長い間、ありがとうございました！！！

取材のご協力、ありがとうございました！

浜湯はこちら

前の記事へ

記事一覧へ

次の記事へ