【一宮市】尾州産地のリサイクルウールを使用したMONPEができました!うなぎの寝床(福岡県八女市)でオンライン取り扱いを開始。
地域文化商社うなぎの寝床(福岡県八女市)は、大鹿株式会社(愛知県一宮市)のテキスタイルブランド「毛七(けしち)」の生地を使用したMONPEのオンライン取り扱いを開始します。
今回MONPEに使用された生地は、使われなくなった衣類や縫製工場から出るウールのハギレなどを原料にした「再生羊毛 / 反毛(はんもう)ウール」。
再生する生地の色が混ざり合いながら糸として生まれ変わるため、新毛では表現できない深みのある色味や、様々な繊維長が混ざり合うことで生まれるムラ感のある表情が魅力のひとつとなります。
「反毛」とは ~古着を集め、再び繊維に生まれ変わらせる~
反毛とは、一度使われなくなった衣類や糸くず、ハギレなどを再利用するために、繊維を崩してワタ状に戻す技術です。
尾州産地では、半世紀以上前から反毛の技術で再生羊毛の生地をつくっています。
全国から集められた古着・ハギレから手作業で品質表示やボタンを取り外し、ウールの混率や色味ごとに仕分け。
分類された布類を裁断し、反毛機と呼ばれる機械で繊維をひっかき、ワタ状にします。
反毛されたワタを糸にする際、繊維が短くそのままでは糸にすることは難しいため、ポリエステルやアクリルなどの化学繊維を全体の3割ほど混ぜ込みます。
これによって、強度があり風合いの良い糸を紡ぐ事ができます。
こうしてできた再生羊毛は、ウール7割・化学繊維3割の比率で作られていたことから、尾州産地では古くから「毛七(けしち)」と呼ばれてきました。
MONPE 尾州 生地の特徴
左:杉綾織(カーキ)
杉の葉のように斜線が右左で連続して入ったような織り模様。右と左の綾織を交互に織ることで模様を表現しています。別名へリンポーン(ニシンの骨)とも呼ばれます。
右:フランネル(チャコール)
織り上がった生地に縮絨*(しゅくじゅう)をかけて表裏起毛をかけたもの。生地の密度が高く、表面の起毛が空気を含んで熱を逃さないため、保温性に優れています。
*縮絨 … 織り上がった生地を石鹸溶液などで湿らせ、圧力や摩擦を加えて収縮させる後加工のこと。織組織が緻密になり、フェルト状に変化する。
商品詳細
商品名:尾州 杉綾織 カーキ
素材 :ウール70%、ポリエステル15%、アクリル10%、ナイロン5%
価格 :16,500円(税込み)
商品名:尾州 フランネル チャコール
素材 :ウール70%、ポリエステル15%、アクリル10%、ナイロン5%
価格 :14,300円(税込み)
毛織物産地・尾州について
愛知県一宮市を中心に、愛知県尾張地方の西部と岐阜県西濃地区にまたがる地域一帯は、「尾州(びしゅう)」と呼ばれる織物の産地です。
一級河川の木曽川と肥沃な濃尾平野の恩恵により、麻・桑などの栽培に良い土壌と、糸・織物の染色加工や仕上げ整理に適した軟水に恵まれ、奈良時代から織物づくりが行われてきました。
近代以降にはスーツやコートなどに使用する毛織物が盛んに生産され、現在は全国一の生産規模となっています。
また、イギリスのハダースフィールド、イタリアのビエラと並んで世界三大毛織物産地ともいわれています。
大鹿株式会社について
愛知県一宮市で1922年に創業。
軍服生地の生産から紳士服地専門問屋、紳士向け既製服の製造・販売を経て、現在は自社オリジナル商品blanketや再生ウール「毛七」の製造・販売を、様々な企業による分業の枠を超えた取組のなかで行っています。
一宮市が位置する尾州産地は、木曽川がつくる肥沃な濃尾平野の恩恵を受け、昔から農業や織物など繊維産業が盛んな土地で、現在も日本国内の毛織物生産量の約8割を占める日本最大の毛織物の産地です。
大鹿株式会社は、原料となる羊毛糸を厳選し、昔ながらのションヘルやレピアなどの織機で生地を織り、裁断、縫製、販売に至るまでの全ての工程を提携工場と連携。
尾州産地のモノ作りの歴史・背景を強みとした高品質な毛織物生地・商品に製販一体で取り組んでいます。
また、一般の消費者が「尾州のいいもの」を手に取る場所として尾州カレント新見本工場を立ち上げ、新しい尾州の形をより多くの人々に伝えるための取組を積極的に行っています。
うなぎの寝床について
うなぎの寝床は、福岡県⼋⼥市を拠点とし、地域に伝わる歴史や⽂化を独⾃に研究し、現代において経済的・社会的につないでいく仕組みを⾒出す「地域⽂化商社」です。
2012年7⽉の創業から、次世代へ継承していく「地域⽂化(ものづくり、まちづくり、⾷⽂化など)」の価値を⾒⽴て、社会とコミュニケーションを取れる商品・サービスを構築。
それが浸透していく仕組みを整え、つくりて(⽣産者)、つなぎて(地域⽂化商社)、つかいて(⽣活者)、そしてその先にある地域資源や⾃然も含めた⽣態系をつないでいきます。