【一宮市】一宮市出身の車いすテニス、小田凱人選手が全豪オープンテニスで準優勝☆試合期間中のインタビューをまとめました!
2023年1月28日、オーストラリア メルボルンで開催された「全豪オープンテニス 車いす男子シングルス決勝」で、一宮市出身の16歳・小田凱人選手が準優勝しました!
車いす男子シングルス決勝では、第3シードの小田選手が第1シードのA.ヒュウェット選手にストレートで敗れ準優勝。グランドスラム初優勝はお預けとなりました。
今回の記事では、小田選手が全豪オープンテニス期間中に語ったWOWOW単独インタビューをご紹介!意気込み等を振り返っていきます。
開幕前
Q.昨年はセンセーショナルなデビューを果たして世界に強烈な印象を残しました。昨シーズンを振り返ってみていかがですか。
かなり評価できる年でした。昨年に結果を出したことで、今年があると思います。(結果を出した)次の年が一番苦しくなるので、今年は乗り越えないといけない大きな壁となります。昨年は自分のやりたいテニスができ、具体的な目標を達成できた瞬間もありました。その分、イメージ的にはものすごく良いものを持っているので、今年も昨年以上のものを求めて頑張りたいと思います。
Q.オフシーズンはどのように過ごし、トレーニングはどこにフォーカスしましたか。
11月まで大会があったので、1月にオーストラリアへ来ました。だから、長いオフは取れませんでした。その中でも、年末はゆっくりできましたし、トレーニングに関してもしっかり追い込んで全豪オープンに向けて取り組んできました。寒い冬の日本から暖かいオーストラリアに来るということで、いろいろ警戒していた部分もありました。ただ、暑いところでのプレーに配慮しながら練習して良い調整ができたので、状態はすごく良いです。
Q.テニスに関して、集中的に改善している部分はありますか。
自分の長所であるサーブ、フォアハンド、強いショットをさらに磨きをかけることを重点的にやってきました。それを生かすために、自分のウィークポイントやこれから成長していかないといけないショット以外の部分を強化することもでき、全体的な底上げをオフシーズンの中で確実にできたと思います。先週も決勝戦までいけていい流れでずっときています。
Q.今シーズンに掲げている目標を教えてください。
16歳最後の大会が四大大会(全豪)なので、目標は一つです。17歳になっても、しっかり勝ち続けたいです。維持だけでなく向上することも今年の目標としています。昨年に良い結果を残してランキングがかなり上がってからプレッシャーもありますし、責任も重くのしかかってきますけど、自信も大きくなっているので楽しみな気持ちが強いです。
Q.日本で応援してくれているファンへメッセージをお願いします。
今年最初の四大大会ということでものすごく気合が入っています。自分のやりたいテニスができれば必ずいい結果が出ると思います。必ず車いすテニスの魅力を僕がプレーで体現できると思うので、車いすテニスを見たことがない人もぜひ見てください。
準決勝勝利後
Q.グランドスラム参戦2年目で初の決勝進出。感想をお願いします。
自分としては「ついに」という気持ちが強いです。ここまできたら最後はすべてを出し切るだけなので、気負わずにいつも通り自分らしいテニスをしたい気持ちがすごく強いです。
Q.準決勝は壮絶な試合でしたね。最初の2セットを振り返ってください。
1セット目の1ポイント目から自分のテニスをしてどんどん攻める気持ちで気合が入っていましたし、モチベーションも高い状態で試合に挑めたので、1セット目は思い通りに進められた展開でした。2セット目に関しては、自分が落ちたというより、相手の力が上回った感じです。ただ、チャンスがないわけではなかったので、そこで取り切れていたらと思います。ファイナルセットに入ってから、振り出しに戻った気持ちで試合を進めることができました。スタートはよくありませんでしたが、そこから接戦を演じ、特に(セットカウント)3-5から巻き返した場面では、今までやってきたことが試合で出たと実感しています。達成できたことで今は自信があります。これからもっともっとああいう試合を経験していく中で自信となって経験として残っていくと思います。今年はまだ始まったばかりですが、この1年の中で大きな1試合になるかなと感じます。
Q.決勝の相手はA.ヒュウエット。これまでの対戦成績1勝4敗と強敵です。どんなイメージをもって、どんな戦い方をしますか?
先週にメルボルンの大会で対戦しているので、どんな感じなのかはわかっています。もちろん手ごわいですし、今のランキング1位です。チャンスはあると思いますが、準決勝よりかなり厳しい戦いになることはわかって臨みます。相手の対策もしていて、どういう展開でポイントを取るというのも重要になってくると思います。ただ、自分の実力をどれだけ出せるかが勝敗の分かれ目だと思うので、必ず全力を毎回出せるような実力をつけたいです。今はどの会場になるかわかりませんが、会場が大きいほど100%以上の実力を出せるような自信がありますので、モチベーションを保ちながら試合に挑めばこれまで以上にチャンスがあると思います。これまでのキャリアの中で大舞台になるので、今は楽しみでしかないです。
Q.今日も会場にはファンの方がたくさんいました。やはり楽しみな気持ちが大きいですか?
そうですね。日本人含めてたくさんの方に見ていただいた方が、自分はプレーが上がってくる選手だと思うので、準決勝よりも多くの方々に見てもらいたいと思います。それは、車いすテニスに対しても良いこととだと思います。車いすテニスに対して好影響を与えるような選手になりたいですし、自分が頑張ることでいろいろな人を勇気づけられればと思います。逆に日本からライバルが現れてほしいと思いますし、本当に楽しみです。
<以下は引退を発表した国枝慎吾さんについて1月24日に行われたインタビュー>
Q.国枝慎吾さんの引退を聞いて、今はどんな心境ですか?
かなり落ち込みましたし、(テニスを)始めた時から今までの道のりを思い出すことがありました。ただ、その中でも試合に集中しないといけなかったので、メンタルで難しい部分がありました。先週、先々週と試合がありましたけど、(国枝選手の引退が)頭をよぎったことがありました。ただ、今は全豪オープンの会場にいるので、集中して頑張らないといけないと思っています。やっぱり、悔しいですし悲しいことも数多くあります。一番は(国枝さんに)勝てずに終わってしまったことです。より一層、(昨年の)楽天オープン(決勝)の時の悔しさが出てきた感じです。
Q.一言で言い表せないと思いますが、国枝さんはどんな存在ですか?
唯一と言っていいくらい、素直にかっこいいと思える人。この人には一番勝ちたいと思いますし、負けた時はしょうがないと唯一思える選手で、自分にとってはオンリーワンの存在でした。引退されたということで、大会に国枝選手がいないのは少しショックではあります。ただ、余計に今までより自分が頑張らないといけないと同時に思いましたので、これからはもっともっと責任感を持ってやっていければと思います。
Q.国枝さんと対戦した一番の思い出の試合を教えてください。
(昨年の)楽天オープンもありますが、自分にとっては、(昨年)全仏オープンで初めてグランドスラムに出て、良い流れで試合に勝てました。すべてが初めての中で勝っている興奮とワクワク感の中で、国枝選手にも今回こそは勝てるのではないかと臨んだところ、本当にボコボコにされました。自分にとってはそんな感じの試合で、あそこで心が折れたというか圧倒的な力の差があった試合だったので、そこからより色々なことを考えることになりました。あの試合は自分にとって悔しいというか、苦しい思い出でした。
Q.国枝さんのすごさは色々あると思いますが、ご自身で一番尊敬する部分、もしくは国枝さんが持っている武器を一つ盗めるとしたら?
憧れているし尊敬しているけど、「盗めるなら」という思いはあまりないです。たどり着くべき場所だとは思いますが、そこに着くまでは自分なりの道で進んでいければいいと思っています。
決勝後
Q.残念な結果になりましたが、自身初のグランドスラム準優勝。今のお気持ちをお聞かせください。
悔しいですし、(相手が)強かったという場面が数多くありましたので、改めて頑張らないといけないと思いました。それと同時にこういう舞台でプレーできたのは、今までのキャリアの中でも一番大きな経験になりました。日本人のサポーターの声が力になりました。その期待に応えるようなプレーをするつもりで全力で挑みましたが、優勝という形では終われませんでした。今年は始まったばかりなので今後もっと頑張れればと思います。
Q.開幕前に国枝慎吾さん引退のニュースを聞いて自身もショックを受けた中での大会で、第2シード(G.フェルナンデス)を倒して決勝まで来ました。手ごたえはありましたか?
もちろん自信を持って手ごたえがあったと言えますし、良い状態で挑めたのは間違いないです。次につながる良いチームができましたし、まだまだ成長できると感じました。
Q.決勝は生中継でした。テレビを見て応援してくれた方にメッセージをお願いします。
応援ありがとうございました。僕の中では勝ち負けが一番重要になってしまいますが、車いすテニスという競技を一人でも多くの方に届けたいという思いでプレーしていて、その中で僕のプレーやプレー中の努力、パッションを見ていただけたら一番うれしかったので、今回の生中継は嬉しかったです。
小田選手のインタビュー、いかがでしたか?
個人的には、16歳とは思えないくらいしっかりとした内容で、もっと応援したくなるお人柄を感じました。
一宮市の皆さんにも小田選手のことを広く知って頂き、地元から応援していけたらと思います!
小田選手、これからも体調管理にお気をつけて頑張ってくださいね☆
2023年2月3日(金)午前8:00 車いす男女シングルス決勝
「A.ヒュウェット vs 小田凱人」 「D.デ グロート vs 上地結衣」
※WOWOWライブでリピート放送